「空き家問題」の相談窓口はどこになる?
一級建築士・空き家相談士でもある、株式会社 小島設計 代表取締役 川合規由さんに「空き家」の相談窓口についてお尋ねしました。
「空き家に関しては、相談窓口はたくさん存在しています。
市役所・司法書士会・税理士会・宅地建物取引業協会・土地家屋調査士会・建築士会・建築士事務所協会・全国空き家相談士協会-その他協会以外でも多くの企業・団体で相談はできます。
しかし、「空き家」の【何を相談したいのか】が問題です。
この一つを解決したい!という場合は、その問題に係る団体や事業所に相談すれば良いのですが、「空き家問題」は多岐にわたる場合が多いために「それはこっち、これはあっち」とたらい回しにされることも少なくありません。
また、先程挙げた協会・団体に相談しても、協会内・団体内で問題が生じる場合も考えられます。
平たく言えば「仕事の取合い・押しつけ合い」です。
協会や団体で相談を受けても、対応するのはそこに加盟している会員企業。企業ですから当然利益を生まなければ存続させられません。
そうなると、利益を見込める相談は受けるが、利益を見込めない相談は協会・団体内でもたらい回しになる・・・ということが起きてしまうことも想像できます。
更に、協会・団体に属していても会員のスキルが統一されているわけではありませんから、「空き家」についての知識の浅い企業もあるでしょう。」
大切なのは相談者の【問題整理】
川合氏は続けます。
「「空き家」全体の相談なのか?
それとも「相続」・「税」・「解体」「売買」・「遺品整理」などピンポイント相談なのか?
相談したい問題を整理すること、それが相談者ご自身に一番最初に行っていただくことです。
その上で、その問題に適した相談窓口を選ぶ必要があります。
とは言え、協会・団体同士の横の連携ができているのかなど相談者にはわからないでしょうし、
ワンストップ相談できる窓口はあれど、探し方がわからないというのが実情でしょう。
宣伝になってしまいますが私も参加している「尾張活性会」という団体は、各案件に対してチームを編成しワンストップ相談に対応しています。
相談者が抱えている「ぼんやりとした悩み」をお聞かせいただければ、メンバーで対応チームを編成し対応に当たります。任意団体ではありますが、地元金融機関・企業の後援を受けているため地元の方にも安心いただけると思っています。
ちなみに、こちらは「空き家」相談に特化した団体ではなく、過去には「生産緑地セミナー」「ロボット教室」などを企画・開催しています。
ただ、解体・遺品整理・相続税・遺言・不用品回収などの相談が多いのですが、なんとなく全て空き家に絡んでくるような相談ですね。」
「尾張活性会」は、名前の通り尾張地区を対象に活動している団体ですが、お住まいの地域にこうした団体・企業がないか探せるといいでしょうね。
■相談したい内容を書き出す
■相談したい内容に合った相談先を探す
「総合的に相談できる窓口」を見つけられることが理想ではありますが、それが難しい場合や何から始めたらよいのかわからない場合、私たちはまず役所や保健所など比較的身近な行政に出向くことが多いとかと思います。
そこで相談してみても希望に合った相談窓口が見つからない時は、お住まい近くの不動産、建築、保険、税理士事務所などに一度尋ねてみてはいかがでしょうか。 先述のような団体に加盟している事業所と出会えるかもしれません。